MISS+のうつくしさとし


智さんが自身の美しさを表現するというそのスイッチを入れた時、そこに現れた美の化身を、どんな言葉で語ればいいのだろうといつも本気で悩んでしまいます。
昨年末に発売された 『MISS PLUS』 のグラビアは、同じく昨年に発売された 『anan』 に匹敵するグラビアでした。
それこそページを開いて外気に触れさせるのももったいないくらいに。


まずは最初のページ。
白いベールに囲まれた一人掛けのソファに座る智さん。
白い柔らかそうなシャツと、黒いパンツに身を包んだ智さんのけだるげな様相の中で、目尻にそったシャドウが深い陰影を落とす意思の強そうな目と、グロスを入れた形のよい引き締まった口唇が、簡単に近づくことを許さない、気高く美しい女王のようにも見える。
にもかかわらず、ゆったりと開いた襟元と、そこから想像するうすい胸。 彫刻のように完成された骨格を持つ手。 骨ばった素足。 
ソファから降ろした足の美しいラインの見せ方を知っているこの人の、男とも、女ともつかない両性具有が持つ魔性の色香。
こんなにも絶妙で不統一な性を持つひとを他に知らない。

ページをめくると、今度はソファに肘をかけ、ゆったりと横たわる智さんがいる。
一人掛けのソファにほどよく納まるコンパクトな身体。
めくりあげたシャツの袖から伸びた前腕から続く、その小さな身体にはアンバランスなほどの大きな手。
ベルトでカッチリと締めた華奢すぎる腰と、そこから伸びる細く形のよい脚。 伸ばした左脚の膝裏から覗かせた肉厚の足。
群れを形成せず単独を好む孤高で美しい黒豹の肉球

かと思えば、清廉としてあどけなく、魔性とは対極にある無垢な心を想像させる智さんの寝顔。
美しく整えられた柳眉。 眼球を包み込む柔らかなまぶたの丸み。 扇状に広がった長くほどよいまつ毛。 すっと伸びた高貴な鼻。 中央がくぼみ、ツンととがった上唇と、それを受ける肉感的でふっくらとした下唇。
そのパーツのひとつひとつが蠱惑的に誘うのに、幼子にすら見えるのは何故なのか。

次のページでは、ふたつの性を持つ妖うい魔性の智さんから、大人の男の匂い立つような色香を放つ、魔王の智さんがいた。
白いベールの向こうから、こちらを見据える智さん。 幻想的な雰囲気でありながら、ベールから覗いた双方の瞳から受ける確固たる意思の強さ。
そして、大野智の持つ造形美がよくわかる、横顔の完成されたシルエット。
小ぶりの耳や、そこから続くうなじや特徴的でセクシーな喉元。 開いた襟もとから見える胸。 細い体軀。 しなやかな柳のような腰。 美しいラインを描くのは、肩、腕、指先に至るまで。
まるで修羅のような、飛天のような、相反する強さとやわらかさ。 ならば、このひとを纏う白い薄絹は、ベールではなく天に舞う羽衣か。 

視覚に訴える即物的で強烈な美しさというよりも、じわじわとこちらの心に浸食して、気付けばいつのまにか全身に広がり支配され、あとはもう、虜にならずにはいられない甘やかな媚薬のような美しさを持ったひと。
全身に広がったこの感覚が、はたしてこの美の化身を手に入れたいのか、それともただこうして眺めていたいのか。 本当は見ているだけでいいのにもかかわらず、どうしたいのかすらわからない不安定な感覚に陥らせる、おそろしく危険な魔物。

そんな魅惑の姿を見せつけたかと思いきや、シャドウを落とし、自身のカラーである青いセーターを着た、ナチュラルヘアの智さんが、うって変わって少年のよう。
素足で床にペタンと座り耳をいじる智さんが、思春期を迎え、大人になろうとしている心と、まだまだ子供の身体を持てあました未成熟な少年のようで、どうにかしてこの儚くも脆い存在を守りたくなってくる。
そして最後のページの智さんは、普段私たちに見せてくれる穏やかで優しげな笑みを浮かべたいつもの智さん。
かしこまっておじぎをする、その所作のなんと美しいこと。

性別をもあっさりと超えてしまう魔性と、年齢を錯覚させる無垢な性質が、絶妙のバランスで共存する圧倒的なギャップを持つ智さんに今回も完全ノックアウト。

テキストはもう、これを読んで好きにならない人がいるのかと思わせるくらい、胸を打つ言葉ばかり。
先日のエントリーにもあげた仕事に対する努力の一端や、メンバーに寄せる感謝の想い。 ファンとのコミュニケーションについて。 これまでのこと、これからのこと。
そしてファンに向けてのメッセージ。

「これからも、もっと面白いことをやりたいと思っているので、ついてきてください。って書いておいてください。 あっじゃなくて楽しみにしててね」

今年のアラシゴト、サトシゴト。 どんなことが待ってるのか楽しみにしてるからね。