an.anのびゅーてぃーさとし  大人の時間の使いかた篇


ネットで早売りの表紙は目にしていたの。 心臓がぎゅっとなって居ても立ってもいられない気持ちになった。 あぁ…これはやばい。


髪を盛り、メイクを施し、レンズの前に立ち被写体となる時、大野智は撮り手のイメージにあわせ、千の貌でもって変幻自在に自らを表現する。
匂い立つ 「男」 の色香であったり、カッコよく可愛らしい 「アイドル」 であったり、優しく穏やかな 「大野智」 そのままであったり。
そして時にこの人は、いともあっさりと性すらも超える。 対立するふたつの性のどちらにも属さないアンドロジナス。
そんな印象すら受ける、絶妙の性のバランスを持った表紙に写る智さんの美しい横顔。
後ろに流したダックテールの髪、 刈り上げた鬢から露わにした小ぶりの耳、 整えた眉、 緩やかなまぶたのライン、 程よく密集した長いまつ毛、 スッと伸びた気品のある鼻、 プクンとめくれた上唇とそれを受ける形のよい下唇、 小さすぎずごつすぎもしない丸い顎、 襟ぐりの開いた濃紺のセーターから覗く、首のラインから漂う危うい隙。 このひとの横顔のフォルムは自然が生んだ芸術美。


ページを進めると、木漏れ日のように温かくナチュラルな智さんが微笑んでいた。 さっきまでアンバランスな性の狭間で揺れていた人とはまた別の顔。


きっとすごく忙しいはずなのに キリキリ、イライラとはおよそ無縁なこのムード。
人には安心感を、自分の中には揺るぎない軸を。
声高に叫ぶことなく我が道を行く大人の男。


見る者全てを包み込んでしまうかのような慈愛に満ちた笑顔の横に添えられた言葉。

苦しいことも辛いことも、きっとこちらが想像する以上にあったはずで、それらの様々な不安に打ち勝つように、人知れず何倍も努力を重ねてきたことはおくびにも出さず、
そしてそれを 「努力」 とは呼ばず 「当たり前のこと」 だと言う智さんの孤高の精神と、積み重ねた経験と自信が織りなす柔らかな佇まいを見るたびに、ただひたすら 「ありがとう」 の言葉を心の中で繰り返しつぶやいてみる。


衣装で僕の中のスイッチが入ること、あります

あごを上げ目線をずらし、シャツのボタンを留める智さんの美しい顔。
艶めいたまぶた、 まつ毛が落とす目尻の影、 完璧を誇る鼻の形と誘う唇。 男であることを証明する喉元の突起と添えられた綺麗な手指。 こぼれ落ちる品のよい色香。

結んだネクタイを見つめる時に自然と尖る唇が、まるで幼い子供のようにも見える。

俯いた頭頂部の髪の流れがダリアの花。 触れたいような、触れてはいけないような。


亀、うちのじいちゃんに顔そっくり!

犬や猫ではなく亀を選んだことで、アーティスティックな仕上がりになった一連のショット。
同じ衣装でありながら表紙で見せたアンドロジナスは影を潜め、めずらしい生き物を手にした無邪気な少年の面影。
小さな命を愛おしむように触れるその手、 投げかける視線とやわらかな笑顔。
一連に同じ状況のショットをこれだけ載せたのも、この撮影現場がいかにこのコンビによって癒されたかを物語ってるように感じます。
いつまでも見ていたくなるような和やかな光景を、出来うる限り余すことなくこちらにも伝えてくれたかったかのように。


少し大きめのイスに横掛けになった智さんが、その細くコンパクトな身体もあいまった、儚さを持った再びのアンドロジナス。
その細すぎる足首で、一体どれだけのものを乗り越えてきたんだろう。
言葉少なく、でも確実に、気付いた者をとらえては二度と離すことのない、優しくも美しいミューズ。



さて、いよいよ始まる天使の姿をした死神くん。 さとし祭り、ちょっとずつピックアップしながらアップしていけたらいいな。