ブルーレイの成瀬さん


「魔王」のBlu-rayBOXが発売されますね。

DVD-BOXはもちろん持ってるけど、発売の情報を知った時点で迷うことなく密林さんをポチっといたしました。

映像としては、HDD、HDDをダビングしたもの、DVD-BOXを持ってるけど、ここに新たにBlu-rayの成瀬先生が加わる事がとても嬉しい。

「魔王」のリアル放送からもう5年がたとうとしているけど、この間で私が「魔王」を観かえしたのが3回。DVD-BOXを買って1度だけ観て、次に観たのがそれから3年後の「鍵部屋」の制作発表のあとだったかな。

儚くて美しくて悲しくて苦しくて、リアルタイムの最終回で慟哭し、心臓を握りつぶされたような衝撃を受けて、しばらくその衝撃による余韻から抜け出せなくて、ようやく心が落ちついても、もう成瀬さんの悲しみを受けとめる勇気と覚悟がなかったから。

DVD-BOXを買った後も、とにかく軽い気持ちで観ることが今でもできなくて、「魔王」を観るときは成瀬さんをはじめ、登場人物の全ての苦しみを受け止める覚悟で、文字通り姿勢を正して画面の前に座ります。

大野智という稀代の役者が、身を切り骨を削るようにして生み出し演じ切った「成瀬領」

その「成瀬領」が、当時の智さんの苦悩とリンクしたようになり凄絶さを増すたびに、智さんはどんなに血を吐く想いで「成瀬領」を演じていたのか、想像するに余りあるものがあります。

当時の智さんがバラエティー番組に出てもあまり笑わなくなり、心ここにあらずな様子に感じることがあって、智さんの精神状態が極限状態にあるんじゃないかと気を揉んだりしたこともあったっけ(ご本人はカツオに恋焦がれて撮影の合間に釣りに出かけて真っ黒になって繋がらないって怒られたりもしてたけど^^;)

ただ、「成瀬領」を見る限りは、そこに中の人である「大野智」はどこにもいなくて、「成瀬領」の完全体として存在していたから、ドラマの世界観だけを受け止めていられるんだけど、バラエティーや歌番組での智さんは「大野智を演じなければならなかった」くらい「成瀬」がブレてしまうことをおそれて「成瀬」と「大野」の狭間を行ったり来たりしているように見えたから、「魔王」放送終了後のある日の「アラシちゃん」での智さんのリアクションを見て、それがいつもの「大野智」であったことに、あぁ智さんが戻ってきたんだなぁと安堵したのを覚えています。

智さんの中の「成瀬」は消え、智さんの魂の奥深くに智さんの1部として沈み眠っているのであろう「成瀬領」は、もう再び目覚めることはないだろうけれど、智さんがあのあつい夏の日を乗り越えて演じた「魔王」が、今なおファンの胸に焼きついて、さらに新しいファンを生み出し続けていることに深い感慨を覚えます。


智さんの演じた役は皆、後々まで余韻を残しますね。


Blu-rayで観る成瀬領さんもまた、それはそれは美しいんだろうなぁ。